Nintendo Switchで遊べるゲームソフト『黄昏ニ眠ル街』をプレイしレビューと序盤攻略を掲載。『黄昏ニ眠ル街』がどんなゲームなのか気になっている人向けの記事となります。
レビューを読むのがめんどうな人向けにいきなり結論!
『黄昏ニ眠ル街』はPLAYISMから発売中の3D探索アドベンチャー。プレイヤーは故障してしまった“飛行船”を修理するため、霧に包まれ静まり返ってしまった東洋の街並みを探索しながら「大地の源」を集めていく。
デザイナーであるnocras氏の描く世界観と、Ujico*氏の手がける楽曲がプレイヤーを幻想的な霧の世界に誘う。さまざまな足場ギミックのステージを攻略しながら、街の霧を晴らしていくどこかエモーショナルな体験が魅力の一作品だ。
\ 実際に遊んだ評価 /
ゲーム性 | (4.0) |
グラフィック | (4.0) |
世界観 | (5.0) |
コンテンツ | (4.0) |
BGM | (4.0) |
総合評価 | (4.2) |
良い点 | イマイチな点 |
---|---|
アートのように美しい街並みを探索! トライ&エラーで攻略するステージ とにかく引き込まれる世界観 | 物語性はほぼナシ |
こんな人におすすめ!
- 世界観にこだわりがある人
- 写真撮影が好きな人
- 探索要素が好きな人
黄昏ニ眠ル街とは?
Switch・PS4:2022年4月28日/Steam:2021年4月14日、PLAYISMがリリースした『黄昏ニ眠ル街』(価格1,980円)。本作は霧に包まれた東洋の街を舞台に、足場ギミックの豊富なステージを攻略していく3D探索アドベンチャーだ。
旅する少女・ユクモを操作して、飛行船の修理を進めながら霧に包まれた街に活気を取り戻していく。「移動」と「ジャンプ」の基本アクションを駆使し、数々の試練を乗り越えていくことになる。
- まるでキービジュアルの世界!デザイナー作品らしさが光る街並み
- コア過ぎずに誰でも楽しめるステージ攻略型アクション!
- 早く次の街を探索したくなる魅力的な世界観
黄昏ニ眠ル街のゲーム内容を徹底解説!
ここからは『黄昏ニ眠ル街』がどんなゲームなのか特徴別に詳しくレビューしていこう。
まるでキービジュアルの世界!デザイナー作品らしさが光る街並み
デザイナーであるnocras氏の作品だけあって、『黄昏ニ眠ル街』の街並みには洗練された空気感が備わっている。
テーマとしては比較的王道の「剣と魔法のファンタジー」ではなく、スチームパンクな東洋と表現するのが正しいだろう。
本作は3Dの街並みを自在に駆け巡るアクションアドベンチャーだが、ムービーシーンを含むプレイ中の場面全てが絵になるほどの緻密さが素晴らしい。
イラストレーターの画集がそのまま3Dゲーム化したと言っても過言ではなく、ナチュラルにその世界へと引き込む統一感あるビジュアルデザインが見事なのだ。
ゲームでは「黄昏の霧」と呼ばれる奇妙な霧に包まれた街並みを探索することになる。街の異様な静けさには根源的な不気味さを彷彿とさせるものの、霧でうっすらと見える街のランドマークすら趣きがあると思える。
霧の街は複数存在し、それぞれダンジョンのような「聖域」を攻略していくたびに活気を取り戻す。それに伴い街の探索範囲が広がり、時間経過で陽が沈むなどのロケーション効果がまた高い没入感を与えてくれるのだ。
落ち着きがある音楽と共に街の中を探索するのはそこはかとないワクワク感が感じられた。夕方の街も夜の街もただ観光しているだけで満たされる。
作中では物語らしい物語こそ存在せず、少女・ユクモの旅の目的や世界・霧にまつわる謎についてはプレイヤー自身が探索&考察する余地が多い。
重厚な物語とは無縁でも重厚な街並みを魅せる側面は強く、例えばRPGのように本格的なストーリーを味わい尽くすのが“重い”と考えるプレイヤーにとって本作は、ただ街の雰囲気だけでもお腹いっぱいに満足できるはずだ。
コア過ぎずに誰でも楽しめるステージ攻略型アクション!
街の探索と切って離せないのが聖域の攻略要素。聖域は街の各所に存在しており、これを攻略することがゲームを進めるための基本コンテンツとなる。
アクションゲームが苦手な人には中々難しいところだが、モンスターなどの敵と戦うバトル要素はないので、ステージを攻略せんとする自分との戦いにはなりそうだ。
各聖域ごとにさまざまな足場ギミックが用意されている。回転し続けるリングや、トランポリンのようにハイジャンプしてしまう足場、乗ってから一定時間の経過で落下する足場などなど。
聖域ではこれらの足場を飛び移りながらゴールを目指していく。
挑戦は失敗しても何度でもやり直すことが可能だ。本作ではそもそも「HP」や「ライフポイント」といった概念が存在しないため、どのプレイヤーも等しく度重なるイケぽちゃを繰り返してステージ攻略に臨むのである。
ちなみにどのステージもトライ&エラーを繰り返せばクリアできる程度の難易度。ゲーム的に「ジャンプ」と「移動」だけでほとんど攻略できるので、ぜひ投げずに挑戦して欲しいところ。
聖域に登場したギミックは後々街の探索でも活用することになる。ステージ攻略の際に足場の特性やクセを掴んでおけば、スムーズな探索が楽しめるのは間違いない。
また、複雑なゲームシステムがなく老若男女で挑戦しがいのあるステージ攻略型アクションというのも実に単純明快で遊びやすいポイントだろう。
どうしても面倒に感じる人向けに、なんとステージ攻略を飛ばせる「転送装置」が入口の真横に用意されている……。
ゲーム体験がとても味気ないものになるが、街の探索で拾った貨幣を消費して強引にクリアできるシステムである。使用は自己責任だがほどほどにしておきたいものだ。
早く次の街を探索したくなる魅力的な世界観
前々項に付随するが、作品全体を通しての“世界観”はやはり目を見張るものがあるだろう。「東洋」をテーマにした作品はそれこそ枚挙にいとまがないし、「スチームパンク」もやや使い古された題材である。
しかし『黄昏ニ眠ル街』ではその2つを絶妙な匙加減で融合し、1つの世界に昇華させている。誰が見ても見事な作家性と言わざるを得ない手腕だ。
ほかにも霧に包まれた街や遺跡などは確かに先の見えない不気味さこそあれど、コンポーザー・Ujico*氏の楽曲によって辺りの空気は神秘的に感じてしまう。
楽曲は世界観の演出に絶対的な要素であり、コンポーザーの解釈ひとつでロケーションの雰囲気を大きく変化させるもの。あくまでホラーではなく神聖さにバイアスのかかったサウンドはこれ以上にないほど好相性であった。
本作はSteam(PC)・PS4・Switchと主に3機種のハードによるマルチプラットフォーム展開。とりわけSwitchはPCとPS4に比較すればマシンパワーが劣るものの、体感的には十分過ぎるほど世界を描画できているだろう。
もちろん、要所的に気になる箇所は多いのだが、どことなくクレイアニメ的な質感でもあるため「そういうものだ」と言われたらちょっと納得してしまいそうである。
世界観と音楽の優秀さは1,980円で購入できるゲームタイトルの中でも抜きん出ているに違いない。主人公のユクモやねずみのような種族のネズ族も、やや硬派な世界観に華を添えるキャラクターとして良いバランス感だ。
可愛いキャラクターたちと硬派な東洋スチームパンクの街並みを巡る体験はとてもユニーク。それだけで次のロケーションに早く行きたいという冒険心が掻き立てられる。
黄昏ニ眠ル街の序盤攻略
本作はゲーム的な要素が希薄であり、システムの細かい説明が簡単なテキストのみ。それで困ることはほとんどないが、拾える貨幣や目の前にある「大地の源」は全て回収しておいた方が得策だ。
ただし、大地の源については序盤ではまだ取れない物が多く存在しているので、簡単に場所を記録するなりしておくと良い。「フォトモード」を活用して辺りを見回す小技もオススメだ。
黄昏ニ眠ル街のレビュー、評価まとめ(総評)
Switchで遊べる手軽さと探索アドベンチャーの相性は抜群。本作は特に世界観にこだわるプレイヤーに触れて欲しい一作品だ。あえて細かい物語性を重視しない作風も手に取りやすく、街中を歩き回って撮影しているだけでも楽しめる。
RPG作品のようにシナリオありきで考えてしまうと無論相応の物足りなさは出てくるだろう。むしろ設定や物語をオフィシャルで触れすぎないからこその世界観なのかもしれないが。アクション要素も特別難しいということはないので、誰でも楽しめる作品だ。
- まるでキービジュアルの世界!デザイナー作品らしさが光る街並み
- コア過ぎずに誰でも楽しめるステージ攻略型アクション!
- 早く次の街を探索したくなる魅力的な世界観
動画
黄昏ニ眠ル街の基本情報
ゲームタイトル | 黄昏ニ眠ル街 |
ジャンル | 3D探索アドベンチャー |
会社 | PLAYISM |
配信日 | Switch:2022年4月28日 PS4:2022年4月28日 Steam(PC):2021年4月14日 |
価格 | Switch:1,980円 PS4:1,980円 Steam(PC):1,980円 |
公式サイト | 黄昏ニ眠ル街公式サイト |
公式Twitter | 黄昏ニ眠ル街公式Twitter |
対応ハード | Switch/PS4/Steam(PC) |
サイズ | 1.6GB |
レビュー日 | 2023年2月15日 |
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