2020年10月28日より、株式会社スクウェア・エニックスから配信開始されたシングルプレイRPG『オクトパストラベラー 大陸の覇者』(以下、オクトラ)。
Nintendo Switch向けにリリースされた前作の8年前を舞台に、新たなストーリーが展開されます。
今回はオープニング~第1章までのレビューとなります。
ドット絵と3DCGが融合した美麗なゲーム画面
ゲーム画面は、90年代~2000年代のRPGを想起させる2Dドットと3DCGが見事に融合しており、温かみと最新の技術が同居した美麗なグラフィックとなっています。
また、生演奏を収録したBGMは重厚で聴き応えがあり、世界観をより立体的に仕立て上げています。味わい深い音楽は思わず操作を止めて聴き入ってしまうほど。
欲望渦巻く闇に抗うストーリー
舞台となるオルステラ大陸には、それぞれ富・権力・名声を極めた者が君臨しています。冒頭には謎の老人が現れ、巨悪に立ち向かう「指輪に選ばれし者」(主人公)が喚び出されます。
主人公は8人おり、ランダムで決まるようです。ある程度ストーリーが進まないと主人公はパーティから外せません。性能や好みを踏まえて、お目当ての主人公が出るまでリセマラするのもよいでしょう。
チュートリアル中、戦闘が1回あります。
コマンドを入力し、ターン制で展開するためさほど難しくありません。まずは感覚をつかみましょう。
「富・権力・名声」でシナリオが分岐
オクトラで一際特徴的なのが「富・権力・名声」システムです。
謎の老人の問いかけで、「富・権力・名声」から重視するものを1つ選びます(1度だけ選び直し可能)。選択によりシナリオが分岐します。
この時選ばなかった方のシナリオも、後からプレイすることが可能です。
今回は主人公が商人の「ピア」だったので、富を選択してみました。
3つの数値は「影響力」となっており、ストーリーの進行や功績ミッション達成などで上げることができます。ランクが上がるとルビーや特典がもらえたり、町の住人から情報を聞き出すことができるようになります。
「導き」で仲間を集める
謎の老人が消えると、酒場に移動します。
店主から紹介され、固定の仲間3人が加入します。
旅団名を決めると、チュートリアルが終了しメニュー選択が可能となります。
まずは「手紙」からルビーや聖導印を受け取りましょう。ルビー264個、聖導印8個が手に入ります(2020年11月6日現在)。これらは「導き」でキャラクターを仲間にする際使用します。
次に「聖火の導き」(キャラクターガチャ)を行います。
導きの種類は現在以下の通りです。
- 導かれし旅人たち(有償のみ)
- 選ばれし旅人(ピックアップ)
- 巡り会う旅人たち(恒常)
- 聖なる導き(聖導印を使用)
キャラクターが被ると、そのキャラ専用の導石がもらえます。導石はキャラクターの上限突破に使用します。
同キャラの上位レアリティが排出されるとクラスアップし、レアリティが自動的に上がります。
また、高レアリティの排出時は演出が変わります。
- 星4キャラ排出時→指輪の輝きが渦巻状になる
- 星5キャラ排出時→富・権力・名声のカードが出る
ガチャの排出率は渋めのようです。必要があればリセマラを行い、仲間が揃ったら「パーティ」から編成をしましょう。
「功績」(ミッション)からも報酬としてルビーがもらえるので、こまめに集めることでガチャも多く回せます。定期的にチェックしましょう。
酒場を出てすぐ、!の吹き出しのアイコンをタップすると強制イベントになります。イベント終了後、第1章開始となります。
総勢8人による戦闘システム
オクトラは前衛・後衛4人ずつ、最大8人での戦闘となります。攻撃や回復は前衛の4人が行い、後衛はHPやSPが回復します。戦況により前衛と後衛を入れ替えるのがポイントとなるので、しっかり編成しておきましょう。
町の鍛冶屋で武器・防具を購入し、キャラクターに装備させるのも忘れずに!
武器や防具は戦利品などで得た「素材アイテム」と「リーフ」(オクトラの通貨単位)を鍛冶屋に払うことで入手できます。
オクトラの戦闘はオート機能がありません。テンポよく進めたい場合は「倍速」に設定しましょう。
基本はコマンド入力となります。「たたかう」の他に、SPを使う「アビリティ」が各キャラクターに設定されています。
アビリティはレベルアップした際に得られるjpを消費することで新たに習得できます。ステータスを上げるものから、戦闘のコマンドとして使用できる「バトルアビリティ」、戦闘を有利に進められる「サポートアビリティ」などがあります。習得はパネルの盤面に沿って行うため、計画的に実行していくのが賢明です。
町の人々から「聞き出す」
町を散策すると、「…」の吹き出しが出ている住民と話すことができます。その際画面右下に「聞き出す」のアイコンが出ることがあります。富・権力・名声のランクに応じて、相手の情報を見たり、様々なアクションを起こすことができます。
吹き出しの色によってどの影響力が関係するのか決まっており、黄が富、赤が権力、青が名声となっています。
主なアクションは以下の通りです。
買取る | 持ち物を選択し、リーフを払って買い取ります。値切ることも可能ですが、成功確率によっては拒否され、関係性が悪化します。 |
ねだる | 買取ると異なり、確率でリーフを払わずに指定した持ち物を入手します。 |
勝ち取る | 戦闘に勝利することで相手の持ち物を全て入手することができます。相手によって危険度が設定されているので、勝算がなければ手を出さないのが無難です。 |
雇う | リーフを払い、相手を支援者として雇うことができます。値切り可能。支援者は戦闘時にNPCとして、特定のコマンドを行ってくれます。 |
勧誘 | リーフを払わずに、確率で相手を支援者として雇います。 |
引き入れる | 戦闘に勝利すると相手を支援者として雇えます。 |
話しかけるだけでも採取ポイントの情報を得ることもあります。吹き出しが出ている町の住人には積極的に話しかけていきましょう。
総評・スクエニらしい本格派のRPG。今後に期待
従来のRPGらしさに加え、「富・権力・名声」の影響力、町の住人から「聞き出す」などのシステムはオクトラならではの駆け引きができる魅力的な要素です。
戦闘も8人編成と、RPGではかなりの多人数です。オート機能がない分、じっくり戦略を練り、いわゆる周回ゲーではない緊張感あるバトルを味わえます。キャラクターの育成も適度にやりこみ要素が詰まっています。
操作感で気になったのは、若干タップ時にラグを感じるのと、マップ移動時は常にスワイプしなくても勝手に動く分、タップしないと止まってくれないところでしょうか。後者は慣れれば気にならない程度ですが、リリースから間もないため、今後の改善に期待したいところです。
これまでに数多くの名作を作り出したスクウェア・エニックス。シングルプレイなのと、元々同シリーズがコンシューマ用RPGのため、ハイクオリティに仕上がっている印象です。加えて繊細なドット絵は往年のスクエニを思い起こさせ、中年層のユーザーは懐かしさも覚えるのではないでしょうか。
家にいる時間が多い今、シングルプレイでどっぷり世界観に浸るにはうってつけのタイトルです!
オクトパストラベラー(オクトラ)の基本データ
アプリタイトル | オクトパストラベラー 大陸の覇者 |
ジャンル | シングルプレイRPG |
パブリッシャー | 株式会社スクウェア・エニックス |
配信日 | 2020年10月28日 |
価格 | 基本無料(ゲーム内課金あり) |
公式サイト | オクトパストラベラー公式サイト |
公式ストア | App Store/GooglePlay |
公式Twitter | オクトパストラベラー公式Twitter |
対応機種 | iPhone10.0以降 /Android6.0以上 |
容量 | 1.4GB |
レビュー日 | 2020年11月18日 |
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